中薬学講座 サンプル問題


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■ 穴埋め問題

荊芥は(    )証を伴う初期の瘡瘍の治療に用いる。


(正解:表)
注意点:
荊芥は辛温解表薬で、袪風解表・止血の効能がある。炭制の場合は止血作用がある。袪風解表の効能では、三つの使用が分けられます。一つは風寒感冒の治療、一つは風疹による瘙痒や麻疹の透発不足の治療、一つは表証を伴う初期の瘡瘍の治療である。この三つの共通点は病気の部位が肌表にある事である。
瘡癰の初期は二つの特徴があり、
一つは熱がまだ盛んでいないことである。
二つ目は病位が浅くまだ表にある事である。
従って、正解は「表」である。

■ 正誤判断問題

防風は外感風寒による頭痛・身痛の治療ができるが、風寒湿痺の痛みが治療できない。
○正しい
○誤っている


(正解:誤っている)
注意点:
防風は辛温解表薬で、特徴は袪風だけではなく、袪湿の功能を兼ねる。
外感風寒による頭痛と身痛だけではなく、風寒痺証の治療にも使用される。
風寒湿痺の病理特徴は風寒湿が関節経絡を侵犯し、気血運行の不暢である。
風寒湿痺の症状は四肢の関節が腫れて痛み、動作が困難で長く経つと四肢の筋肉が萎縮する等である。
従って、「防風は外感風寒による頭痛・身痛の治療ができるが、風寒湿痺の痛みが治療できない」は誤りである。
正しいのは「防風は外感風寒による頭痛・身痛の治療ができるだけではなく、風寒湿痺の痛みも治療できる」である。

■ 選択問題

瘡癰腫痛の治療に選ぶべき薬はどれか?
○ A.防風
○ B.蒼耳子
○ C.白芷
○ D.藁本
○ E.香薷


(正解:C.白芷)
選択肢Aの防風は辛温解表薬で、袪風解表・勝湿・止痛・解痙の効能がある。袪風止痒の効能を利用して風熱による発疹・皮膚瘙痒の治療に用いる。
選択肢Bの蒼耳子は辛温解表薬で、通鼻竅・袪風湿・止痛の効能がある。皮膚の病気の治療には用いていない。
選択肢Cの白芷は辛温解表薬で、解表・袪風燥湿・消腫排膿・止痛の効能がある。消腫排膿の効能を利用して、癰疽瘡瘍と乳廱の治療に用いる。
選択肢Dの蒿本は辛温解表薬で、発表散寒・袪風勝湿・止痛の効能がある。皮膚の病気の治療に用いていない。
選択肢Eの香薷は辛温解表薬で、発汗解表・和中化湿・利水消腫の効能がある。皮膚の病気の治療に用いていない。
従って、選択肢Cを選ぶ。

注意点:
白芷の特徴は二つである。
①寒湿帯下の治療もできる。
②癰疽瘡瘍と乳廱の早期でも晩期でも治療ができる。