蓮子 武漢の食習慣

先日、武漢を訪問した際に生の蓮の実を見つけました。
武漢は湖北省の省都で長江流域に広がり、街の中は長江の
支流や湖がたくさんあるので高温多湿の地域です。
蓮の実は蓮子といい、乾燥した蓮の実で中薬学では収渋薬に
属し、薬の他に食材としても多様されます。
收渋薬は、収斂固渋を主な効能とし、津液・気・血液・
排泄物などの「漏れ」による症状を治療する薬です。
蓮子の帰経は、脾・腎・心経で、
効能は補脾止瀉・益腎固精・養心安神です。
脾虚による久瀉や食欲不振の改善に汎用され参苓白朮散
にも配合されています。
脾は水湿を運化する働きがあり、脾虚になれば水湿運化の
働きが失調し泄瀉が生じやすくなります。
また、脾は燥を好み湿を嫌う特徴があるので、高温多湿の
気候では脾に負担を与え泄瀉が生じやすくなります。
武漢の夏の特徴は高温多湿で、夏には泄瀉、不眠が多発するそうです。
この季節に生の蓮子をお薬代わりに食すのも生活の知恵と言えるのでしょう。
因地、因時、因人制宜の考えを基に食材も選ぶ必要があります。

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