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虚煩不寐という用語を失眠として捉えている方が多いようです。
今日は「虚煩不寐」について少しご紹介します。
虚煩は心下に硬満がなく心煩という現象を指し、
虚煩不寐は心下に硬満がなく心煩と共に眠れないという意味です。
虚煩不寐の原因は気虚、陽虚、陰虚、余熱内擾によって引き起こされます。
それぞれ不眠以外の症状として、気虚の場合は、倦怠乏力、納少神疲、口乾少飲、濡軟脈など、
陽虚の場合は、気虚の症状の上に肢冷畏寒、脈沈遅など、
陰虚の場合には、舌紅口乾、脈細数などを伴い、
余熱内擾の場合には、身熱があり、口苦口乾、小便黄赤などを伴います。
この概念を理解する価値は、虚煩不寐の意味と病因病理を正確に把握することです。
虚煩不寐の病理により異なる治療ができるようになります。
例えば、温胆湯、六君子湯、補中益気湯、杞菊地黄丸の中で
適切な方剤を選択することに大いに役立つと考えられます。
中医学の勉強では、一つの用語の理解の深さ、正確さによって、
弁証論治に思いがけないほど影響を与えると思います。
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