夏越の祓え/茅根

「夏越の祓え」は、夏至に合わせて厄を払う行事で
年末の年越しと対になった厄払いです。
神社に設えた茅で作られた輪をくぐり、年末からついた「厄」を払います。

この輪は「茅」の根で作られており
生薬名は茅根といい、涼血止血剤に属し利尿や余分な熱を除く作用があります。
茅根は単独で使用されることはあまりないですが、肺熱による症状や
血尿や咳血などの出血症状などに方剤の加減として使われます。

例えば銀翹散や桑菊飲は辛涼解表剤に属す方剤ですが
肺熱がひどい咳嗽で血痰が混じる場合などに加減されます。

茅根を正しく使用するために、まずは中医学の寒熱、表裏などの
概念を深く理解する必要があります。
例えば、虚寒証による出血、排尿不利の治療に単独に茅根を使うと、
返って出血が酷くなる場合があります。

中薬学は、それぞれの性味、帰経、効能効果などを学ぶ科目で
覚える内容が多いですが、以外にも日常生活に
取り入れられている薬草だったりすると少し、近しい感じをうけますね。

コロナウイルスの感染がまだまだ終息には至りませんが
少なくともこれまで身体についた「厄」を「茅の輪くぐり」で払い
この先も健やかに過ごせるよう願いたいものです。
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