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ストレスが食欲に及ぼす影響を考える

2020-05-14 11:00


今だ、自粛要請中の東京。

日常生活の急激な変化で戸惑いもある今日この頃ですが、
ストレスを感じ、自宅にいることも手伝って食欲に変化はありませんか?

お腹は空いていないけどちょっとつまみ食い
食後の別腹は当たりまえだ
食べても満腹感が得られない
嫌なことがあると食べてストレス解消
ストレスを感じると食欲がなくなる
食べても美味しくない…などなど。

ストレスを感じると体にいくつかのサインが現れますが
食欲が増加する方と逆に食欲不振が現れる場合があります。

なぜでしょうか?
本日は、ストレスが食欲の変化に及ぼす影響についてご紹介します。

ストレスによる食欲の変化は「肝」の生理機能が大きく関与します。
肝の生理機能に疏泄作用があります。

疏泄は、通ずると発散するという意味があり、何を通じさせて
発散させるのかといいますと、
それは「気機」、つまり気の流れ「昇降出入」という4つの運動形式が
鬱結せず発散することをいいます。
気機が滞ることなく流れていれば気血は調和し、健康な状態が保たれます。

そして疏泄には、以下の4つの働きがあります。

1.気機の調節
2.脾胃の運化機能の調節
3.胆汁の分泌を促進
4.情志(感情)の調節

外部から様々な影響を受けることで疏泄作用のこれらの働きに影響が及び
食欲に対しても影響が生じます。

気機が鬱結し脾胃の運化機能が低下すれば食欲は減少し
逆に脾胃の運化機能が正常より異常に高まれば食欲が増します。
また、感情の変化が過剰になれば、同様に食欲に影響が現れます。

食欲の有無は、相談時に必ず確認する項目だと思いますが
五臓の生理機能などの理解の程度によって
問診やその後の診断、方剤の選択にまで関わってきます。

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この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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