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吸い玉

2019-05-30 11:00


吸い玉の歴史は古く、中医学では抜罐療法とも呼ばれ外治療法に属します。
この治療方法は吸い玉という器具を用いて邪気を外へ抜き出し、
活血理気の作用があると言われていますが、
最近では、エステなどでも気軽にこの治療方法が取り入れられていると聞きました。

主に瘀血、肝鬱気滞、実証に属す痺証などの治療に用いられ、
臨床では病気の病因病理を判断した上でツボや経絡に沿って施術を行うのが原則です。

吸い玉は実証に対する治療効果がよく、虚証の治療には
向かい内だけでなく返って病証を悪化させる恐れがあります。
何故ならば、吸い玉が邪気を駆除する一方で、気血津液などを傷つける反面があるためです。

施術の前には虚実の判断を入念にすべきです。
また、施術の時間は最長でも15分を超えないことです。
もし施術時間が長すぎると、局部に紫色、水泡、皮膚の破れなどが生じて、
ほかの後遺症(例えば感染症)を引き起こし兼ねません。
西洋医学の範疇では、心臓病、血友病、浮腫などの病気には使用を避けるべきです。

虚証とは、気血陰陽の弱い状態を指し、陰虚、陽虚、気虚、血虚などがあります。
臨床の症状では、陰虚の場合は火照り、寝汗、痩せている、口喝などがみられ、陽虚の場合は、
四肢が冷える、寒さに弱い、冷たい汗、浮腫などがみられます。
気虚では、疲れやすい、呼吸が短くて荒い、月経周期の遅延や経血量が多いなどの症状がみられ
血虚の症状は不眠、動悸、月経周期の遅延、経血量の減少などが生じます。




この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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