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新型コロナウイルスへの中医治療/寒湿阻肺証(中程度)

2020-03-09 11:00


新型コロナウイルスへの中医治療の取り組みを紹介していますが
症状が中程度の方剤を2回に分けて翻訳し解釈を加え紹介いたします。

(2)寒湿阻肺証(中程度)

<臨床症状>
低熱で身熱不揚(発熱がない場合もある)、空咳、痰が少ない、
倦怠無力、胸悶で胃脘が痞えている、ゲップ、溏便、舌淡紅、白膩苔、脈濡

<方剤>
蒼朮15g 
陳皮 厚朴 藿香 羌活 生姜 檳榔子各10g 
草果 麻黄各6g

<服用>
上記を一日分とし水400㏄で煎じ、朝晩服用する。

<解釈>
寒湿に属する疫邪は肺脾を侵害する証候として考えられる。
寒湿が肺衛に侵害する特徴は身熱不揚、低熱である。
身熱不揚とは、湿邪(寒湿と湿熱を含める)に阻止される一種の熱象を形容する言葉で、
その特徴は、体表が最初手のひらを当ててみても熱いとは感じないが、
暫く当てていると手が灼(や)かれるように感じられることである。
身熱不揚と白膩苔は湿邪を判断するポイント症状として考えられる。

<処方の代用案>
藿香正気散+平胃散を生姜のお湯で服用する。
生姜湯は生姜10g、水100㏄、水が沸騰してから生姜を入れて、
5分煮てから人肌に冷まし、藿香正気散と平胃散(一袋ずつ)を服用する。
生姜を入れる意味は、寒湿を発散して、藿香及び蒼朮の袪湿避疫の力を増すことにある。

この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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