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止血に田七

2019-01-10 15:00

田七は、止血効果の高い生薬で別名を「三七」ともいい 出血など様々な病気に使用されますが、 田七の特性から誰にでも…というわけにはいきません。 先日、知人から尿血があったため、薬局で田七を勧められ 一週間ほど飲んだもののあまり効果が得られず、 どうしたものか相談されました。 これは、田七の持つ特性を理解せず「効果」だけに頼った結果です。 田七は、温の性質を有するので 陰虚による体の熱感を伴う出血の病証にはお勧めできません。 どちらかと言えば、気虚、陽虚の方と外傷による出血の治療にお勧めです。 例えば、血症の尿血の病位は腎と膀胱にあり、病機は熱が脈絡を 損傷することで生じ、脾気虚、腎陰虚、腎気虚、膀胱熱の区別があります。 これらの中で、田七は脾気虚・腎気虚の治療に効果的です。 もし、腎陰虚や膀胱熱の尿血に田七を用いても良い効果は得られないでしょう。 それぞれの病気の特徴を理解し適切な薬を選択が大切です。
この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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