中医学アカデミーからのメールが届かない場合にご確認いただきたいこと(2024/2/14)

肺虚挟痰証

2020-01-20 11:00


肺虚挟痰証とは、肺気虚と共に痰飲による症状が見られる証候を指します。

<弁証の根拠になる症状群>
1. 咳が長びき体を動かすと次第に咳が強まる、痰は粘る、神疲。
2. 咳嗽、痰が多い、自汗、悪風、感冒にかかり易い。
3. 舌は淡紅、苔薄白、脈細滑で無力。

症状群1+症状群3か、症状群2+症状群3のいずれかで肺虚痰挟証と判断することができます。
これらの症状群は、哮証や喘証などでもみられる症状群のため、
肺虚痰挟証という証候と治療方法などを覚えておくと応用に繋げられます。

<治療方法>
補肺化痰

<治療方剤>
1. 補肺湯と二陳湯の併用
2. 六君子湯加減
3. 玉屏風散加味

<臨床応用>
この証は肺気虚のために痰が肺に深く滞留するので、補肺化痰で治療すべきです。
長期間の咳や喘促、痰が粘り吐き出しにくい場合、補肺湯と二陳湯の併用で対応します。
咳が長く続き、痰が多く胸悶がみられる場合は、
六君子湯に半夏厚朴湯を加えます。

咳嗽で痰が多くて吐き出しやすい、神疲乏力を伴う場合は、六君子湯を用います。
痰はそれほど多くはないが、常に自汗や悪風があり、感冒にかかりやすい、
また時に咳がでる場合、玉屏風散に六君子湯を加えて用います。


中医学とは


この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

董巍からのご挨拶とメッセージはこちら→「中医学アカデミーが目指すもの