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コロナウイルスへの中医治療/清肺排毒湯

2020-02-27 11:00


新型コロナウイルスへの中医治療の取り組みを紹介していますが
症状が悪化した場合の方剤のついて発表された内容がございましたので
翻訳し解釈を加え紹介いたします。

中国衛生健康庁国家中医薬管理局 国中医薬辦医政函(2020)22号。より抜粋

【清肺排毒湯】
<構成生薬>
麻黄 桂枝 沢瀉 猪苓 杏仁 半夏 生姜 紫苑 款冬花 射干 藿香各9g 
黄芩 炙甘草 細辛 山薬 枳実 陳皮各6g 
生石膏15-30g(先煎)
茯苓15g 柴胡16g

<応用>
上記を一日分とし、少なくとも三日間は服用する。
この期間が一つの治療段階の目安になる。
また、上記の処方は、新型コロナウイルスの軽度タイプ、中度タイプ、
重型タイプ、危篤タイプに応用が可能であると伝えている。

<解釈>
清肺排毒湯は八方美人のような配合で、五積散に似ており、
表裏寒熱同用で、清熱解表、袪痰利湿、泄肺補脾の部分がある複雑な方剤である。
生薬の構成から見ると麻黄湯、桂枝湯、麻杏甘石湯、二陳湯、
小柴胡湯、藿香正気散、五苓散などが含まれいるとも考えられ、
配合の割合から見ると、清熱宣肺を中心に、袪湿袪痰をサブにしている。
また、薬の服用後にお粥を茶碗一杯を食す。
津液虧虚の舌乾の場合は茶碗二杯のお粥を食す。との記述がある。

<注意点>
発熱がない場合は生石膏の使用量は減らし、
発熱があり或いは発熱が酷い場合は、生石膏の使用量を増やす。
症状は好転したものの、効果があまりない場合は更に三日間服用する。
また加減するか、具体的な臨床症状に応じて処方をして症状がなくなれば服薬をやめる。

<参考代用方法>
構成生薬から見ると、五積散+小柴胡湯+麻杏甘石湯で代用が考えられる。




この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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