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中医学の勉強 肺燥と肺陰虚

2021-03-11 11:00


肺燥は内燥に属する病理状態の一つです。
内燥とは体内の津液が不足し、体の各組織器官や孔竅などへの
滋養が不足することで発生する乾燥の病理状態を指し、津傷化燥ともいいます。

内燥が肺に及ぶと肺燥の状態になり
肺燥は肺陰虚に発展する病理状態とも言えます。

肺陰虚の臨床症状は主に軽い咳があり、五心煩熱、口渇、汗が少ない、
舌嫩紅、少苔などが見られます。

更に肺燥の段階に入ると乾咳は頻繁になり、胸悶また胸痛、咳血
皮膚が鱗のようになる、舌は光紅、無苔で乾燥という症状が見られます。
肺陰虚への治療は補陰清熱を施しますが
肺燥の治療は補肺陰だけではなく、肺気の調和を行う必要があります。

肺燥と肺陰虚の概念は基礎理論に紹介されるものですが
この概念を深く理解することは、麦門冬湯、瓊玉膏、清肺救燥湯などを
適切に使用する土台となっています。

中医診断学、中薬学、方剤学、中医内科学では、このような概念について
詳しく説明せず、十分に理解できるという前提で診断要点、処方の加減を
展開することになります。

従って、中医診断学、中薬学、方剤学、中医内科学を深く正しく
理解するために、中医基礎理論を固める必要があると考えられます。

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この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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