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肺脾腎を侵害するcovid-19

2020-03-26 11:00


今回の新型コロナウイルスは、呼吸器疾患、糖尿病、腎臓疾患などのある方が
感染すると重篤な病状をひき起こすと伝えられています。

中医学では、covid19は「疫邪」に属すると考えられます。
疫邪は、伝染性が強く急に発病し、病気の初段階で早く入裏してしまい、
体の気血津液を酷く傷つけ、また毒性が極めて強いという特徴があります。

予防として丁寧な手洗いやうがいが推奨されていますが
中医学の疫邪に対する予防の観点では、肺脾腎を「調養」することが大切と考えています。

「調養」の「調」とは、調節ということで肺脾腎の働きと
気血津液の流れを保つことを意味し、「養」は、養う或いは補うことを指します。

肺は体腔の中で一番高いところにあって、外邪の侵入から全ての臓腑を保護する
役割があり全身の気と呼吸を司ります。
また肺気を全身隅々まで行き渡せる働きがあるので
疫邪が肺に侵入することで粘液のようなものが肺に充満し呼吸機能を破壊し肺不全を招きます。

脾は、飲食物を消化吸収し、それを全身へ運び気血生化の源になりますので
疫邪が脾に侵入すると全身が非常に怠くなり疲れやすく、
免疫システムが破壊され高熱や、食欲がなくなる、下利などの症状が生じてしまいます。

腎は、人体を構成する基本物質である「精」を蓄え、人体の各機能を支え、
水液を管理し、主に全身の水液代謝の平衡を保ちます。
また、腎の「納気作用」によって肺の呼吸機能を応援します。
疫邪が腎に侵入すると主に主水の機能を破壊し、腎不全になります。

その他、中医学で糖尿病の場合
上消は肺、中焦は脾胃、下焦は腎に大きく関与しているので
疫邪によって肺脾腎は、著しく影響を受けます。

肺脾腎の状況を正確に把握し、調と養のバランスをうまくとれることが
中医学の腕の良さでもあると思います。

西洋医学の予防方法はウイルスに対する方法ですが、
中医学では体の正気を強めるために、
肺脾腎の調養方法も大切にして頂ければと思います。

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この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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