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脾虚の顔色の特徴「萎黄」と二酸化炭素との関係

2021-06-24 11:00


顔色が萎黄は、脾虚の症状の中にあります。
萎黄とは、皮膚がくすんだ黄色で、かつ枯槁(ツヤがない)の
様子をいいますが、眼球結膜の黄染は見られません。

萎黄は脾胃虚弱に多く見られる顔色ですが、現れない場合もあり
脾虚による血虚がかなり進んだ場合に生じます。

脾虚の進行で現れる萎黄について、ある論文でその証拠を突き止めました。
(中国医薬学報1991年10月第6卷第五期P51)

それは炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase,CA)が異常に活発になることで
血中二酸化炭素の排出の故障を招きます。

興味深いのは、CAの過剰な活動の原因は酸欠によるもので
その研究結果は、中医学による脾虚の病理発展への
解釈を一つの側面から証明しています。

中医学の五行の関係からみると、脾は肺の母親になり
脾虚の場合は肺虚の状態が生じやすいという認識があります。

肺は宣発の力が不足すると、濁気(二酸化炭素を含め)を排出するという働きが
また、肺の粛降作用が不足すると、清気(酸素を含む)の取り込む働きが
それぞれ低下してしまいます。

肺の他に気と血の関係からみると、気虚によって生血と行血の働きが故障すると
血虚と瘀血などの病理が派生します。

臨床では、病気は固定して変化しないことはありませんので、進行発展する場合に
この病機の変化は何であるかを予想したり判断したりすることは非常に重要です。

この予想と判断という能力を身に着けるために、中医学基礎理論と
中医診断学を深く理解しなければならないと考えています。

中医学を系統的に学んだ国際中医師は、これらの教科への理解を深めており
病気の進展の予想を判断する力に優れていると言っても過言ではありません。

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ご自身の理解の程度をチェックすることができます。
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この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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