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蒲公英を使用してはならない中薬学の問題

2024-04-14 10:00

中医アカデミーのシステムには国際中医師試験の過去問題をすべて登録してあるので、
勉強中に中医学を学びながら、国際中医師試験の準備に繋がります。

今回は蒲公英の投与に関する問題を紹介します。

問題内容:
蒲公英が適用できない証はどれか?
A.熱淋
B.黄疸
C.乳癰
D.腸癰
E.脾虚便溏
回答結果はEです。

解釈について
選択肢1の「熱淋」、選択肢2の「黄疸」、
選択肢3の「乳癰」、選択肢4の「腸癰」のいずれも
蒲公英が治療できる病証ですが、
選択肢5の「脾虚便溏」は蒲公英が使用することができない病証です。
従って、選択肢5の「脾虚便溏」を選びます。

注意点:
蒲公英は清熱解毒薬で、清熱解毒・利湿の効能があるので、
利湿の効能を利用して、湿熱による熱淋と黄疸の治療に用います。
また、清熱解毒、消腫散結の効能を利用して、乳廱と腸癰の治療に用います。
蒲公英の性味は苦・甘、寒で、脾気虚、脾陽虚の治療をする際に
単独で使用してはいけません。

溏便とは、便が希薄している(水様便)症状を指し、
溏便は脾胃気虚、脾陽虚、脾腎陽虚などによく見られ、便溏、大便溏薄ともいいます。
便が緩む症状でも湿熱による泄瀉は便が粘っこく、臭いのが特徴です。

この問題のトライで得るものが何か、
一つの中薬学の問題をトライして、蒲公英の四つの使用方法の他に
使用してはならない原則がわかるようになります。
また、溏便の意味を再度確認することもできるようになります。

このように中薬学を勉強することで、理解が深くなると共に、
方剤の加減などの使い方を掴むことに役立ちます。

中医学アカデミーは生徒さんの成長のために、引き続き努力してまいります。

この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

董巍からのご挨拶とメッセージはこちら→「中医学アカデミーが目指すもの