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酸棗仁湯が適応する病理要点

2019-06-14 11:00


酸棗仁湯は不眠と動悸を治療する有名な漢方製剤です。

中医学には不眠と動悸を治療する方剤の種類は多く、
例えば、帰脾湯、温胆湯、天王補心丹、黄連阿膠湯、四物湯などがあげられます。

酸棗仁湯の病理要点は「血虚肝旺」です。
「血虚肝旺」の意味を理解することが非常に重要です。
肝旺という病理結果は帰脾湯、温胆湯、天王補心丹、黄連阿膠湯、四物湯にはありません。
この病理要点を理解できれば、弁証ポイントを把握することができるようになります。

酸棗仁湯の配合要点は、酸棗仁と甘草によって酸甘斂陰、柔肝という働きです。
茯苓と酸棗仁は安神、知母は補陰しながら肝旺による虚熱を冷まし、
川芎は疏肝活血を行います。
酸棗仁湯は補陰斂陰、清熱安神に働きますので、
陽虚及び気虚による冷え症の方に酸棗仁湯は使用しません。

酸棗仁湯を活用できるようになるためには、中医学の基本となる
基礎理論・診断学・中薬学・方剤学、中医内科学を総合的に学ぶことが大切です。


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この記事の執筆・監修

董巍写真

中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
董巍

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